もうすっかり社会への影響を持つインフルエンサーとして定着したYoutuber。
特に若年層の支持は強く、若者のテレビ離れも着々と進んでいます。
最近では芸人のキングコングの梶原さんがYoutuberカジサックとして参戦し、
100万人を目指して駄目なら引退と話題になっています。
そのカジサックさんは現在(2018年12月6日)でチャンネル登録者数50万人を突破しており、
「やはりテレビ芸能人は強い」という印象を与えていることかと思います。
しかしながら、元トップアイドルグループの方をはじめとする様々な芸能人がYoutube界に参戦しておりますが、
未だにトップYoutuberに肉薄する存在は生まれていません。
今回はその理由について考察していきます。
テレビの多様化に対する限界
お住いの地域のテレビのチャンネルって何チャンネルありますか?
恐らく、8チャンネル前後かと思います。
各チャンネルでバラエティに富んだ様々な番組が放送され、
多くの視聴者層を取り込もうと四苦八苦しています。
一方で、Youtubeのチャンネル数はほぼ無限。
著名なYoutuberが多く所属する某事務所でのチャンネル数だけでも5000を超えています。
テレビでは限られたチャンネルの中で、
誰もが興味を持つようなターゲットの広い番組を作っています。
ただ、これだとどこも似たようなバラエティ番組になってしまい、
結局飛びぬけた魅力、熱中させるような番組は生まれにくい状態です。
Youtubeでは、各個人が好きなことを、好き勝手やっている番組×チャンネル数になります。
きっと、個人が熱中するようなチャンネルがあり、
それはまた別の個人にとっては興味の無いチャンネルかもしれません。
それでも、
誰もが楽しめる無難な番組が1つあるより 限られた人が熱中するチャンネルが複数あった方が強いのです。
Youtubeとテレビでは主役が違う
テレビの主役は基本的には番組そのものです。
もちろん主演やメインMCがいたり、芸能人の冠のついた番組もありますが、
民放では一人の芸能人の番組を延々とやり続けるチャンネルはありません。
あくまで、番組という建てつけがあって、そこに人を割り当てているのです。
一方で、Youtubeの主役はYoutuberです。
Youtuberがいて、初めて番組、動画が成り立ちます。
例えば、Youtuberがマクドナルドの新商品を食べるだけの動画があるとします。
これが人気Youtuberだと100万再生を軽く超えたりします。
こんなの、テレビでは絶対できないですよね。
Youtubeの場合は、その動画を見る人の大半はそのYoutuberのチャンネルを登録しているファンです。
企画が好きだから見ているのではなく、
その人がやっている企画だから見るという心理です。
ここがテレビとの圧倒的な違いです。
多様なライフスタイルへの対応
こちらの過去記事にも記載していますが、
Youtubeはその殆どがスマホやPCで閲覧されています。
スマホはほぼ個人の所有物だと思います。
PCは微妙なラインですが、個人の所有物という方も多いと思います。
一方でテレビは家族の所有物という方が多いのではないでしょうか。
一部屋に一台個人で持っている方もいるかもしれませんが、
そういう家庭でも、リビングにテレビはあるのではないでしょうか。
つまり、テレビ番組は家族向け、
Youtubeは個人向けという区分けが出来つつあるのです。
家族でテレビを見るなら、それは家族と言えど見たい番組、見たくない番組それぞれあると思います。
Youtubeをスマホで見るならそんな心配いりません。
見たものを好きな時に見ればよいのです。
また、Youtuberをやっている方は殆ど素人上がりです。
たまに芸人出身の方などおられますが、テレビでバリバリ活躍したうえで、
Youtubeでもバリバリはまだ少ないです。
素人の何がいいのんだ?と思われるかもしれませんが、
一番は親近感です。
先ほども記したように、Youtube視聴者のターゲットはYoutuber個人です。
動画の編集や撮影もプロには負けているかもしれませんが、
その成長も含めて、「自分が育てた感」を持つようになります。
特に、チャンネル登録者数が少ないときから見続け、
大きなチャンネルになったら喜びも一入でしょう。
そういった意味では、テレビで見ていた手の届かない存在は、
いつまでたっても手の届かない存在なのです。
親近感がわかないのです。
なぜカジサックはうまくいっている?
カジサックさんは著名な芸能人出身ではかなり健闘されている方だと思います。
果たしてなぜか?
理由は以下の3つです。
- 好感度が低い所からのスタートだった
- Youtuberを下に見ていない有名だけどクセのある
- Youtuberと事前にコラボしていた
1つ目は、とある事件をきっかけにカジサックさんこと梶原さんの好感度はかなり低めだったと思います。
もう少し言うと、低めかつ、忘れられつつあったタイミング。
実際のところ、プロの芸人ですから喋りは達者。
イメージが悪いという印象だけを持っていた若者が、
実際に初めて触れた場合には、「面白い人」という印象を持ったと思います。
2つ目は、これはかなり大きいと思うのですが、
Youtuberを見下したりしていないということ。
実際のところはどうなのかはわかりませんが、動画ではコラボしたYoutuberを立て続けています。
結構、芸人さんがYoutuberを見下して、「やろうと思ったらできるけどやらない」というような
高いプライドを持っている人がいると聞きます。
おそらくそれではうまくいきません。
誰かとコラボをした場合、コラボした動画を見るのはコラボしている人のファンです。
そういう意味でもコラボ相手を不快にさせない術に長けていたのがカジサックさんです。
最後3つ目は、クリーンなイメージのクリーンな会社のYoutuberとのコラボではなく、
ちょいちょい炎上する系のYoutuberと積極的にコラボしたことです。
極端な話、テレビに出ている芸能人が、
世間一般のイメージが良くないYoutuberとコラボするのはそれでもマイナスです。
ですが、これ逆に功を奏しました。
クセのあるYoutuberたちはカジサックさんに気を遣わずいじったりします。
この”いじり”に対して、カジサックさんはYoutuberに敬意を払った対等な返しをします。
これが、芸能人の「お客様感」を排除し、「親近感」を生んだのです。
こうして順調に登録者数を伸ばしたカジサックさんですが、
100万人に向けて、おそらくどこかでブレーキがかかると思います。
それが企画力。
芸能人がテレビと同じような企画をしても恐らく見向きされません。
素人であるYoutuberが、テレビと同じような企画をすると、逆に盛り上がったりします。
このハンデがある以上、テレビではできないことをやるづけるしか無いのが難しいところです。
現在の同期芸人との裏側トークなどの企画は良い選択をされていると思います。
あとは、今後そういったテレビではできない企画をやり続けられるかにかかっています。